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エコツーリズムをどうやって浸透させるか

ここのところ当ブログでよく紹介しているのが「エコツーリズム」。
繰り返しになってしまうかもしれないが、
エコツーリズムは自然との調和を目指した新しいツーリズムの1つだ。
エコツーリズムは、これまでのツーリズムにはない
独創的なツアーがとても多い。
体験型のツアーがほとんどだということも、その特徴の1つだろう。
地域活性化について学生の頃から研究し、
そして最近たどり着いたのが、このエコツーリズムだった。
自然環境があるのは、都市ではない田舎。
田舎の価値が急に見直されるきっかけをエコツーリズムは作った。
もちろん、これまでにも田舎に光を当てる試みは数多くあったが、
それを消費者にもっとも分かりやすくアピールできているのが
エコツーリズムではないかと思う。
早い話が、田舎を訪れる人が増加することによって、
田舎にお金が落ちるようになる。ということ。
それを実現する手法の1つだ。
(この言い方は賛否両論ありそうですし、おおざっぱすぎますが、
 実際、現場の人が一番気にするのはお金の話なのが現実なのです。)
さて、どうやらエコツーリズムの普及が地域活性化に一役買ってくれるかもしれない。
では、どうやってそのエコツーリズムを普及させればいいのだろうか?
前回のエコツーリズム学生シンポジウムで「ホエールウォッチング」の例がでた。
ホエールウォッチングは、まあ、一般的ではない。
ではなぜ一般的ではないのだろう?
なぜ興味を持ってもらえないのだろう?
そこで話し合われた結果、以下のような意見がでた。

  • 料金が高そう(実際は5,000~6,000円)
  • クジラが見れない可能性もある
  • 船に弱い人は無理でしょう


なるほど。
料金が高いうえに、お目当てのクジラが見られないリスクがあるといのは、
ホエールウォッチングを敷居の高いものにしておくのに十分な効果がある。
もし5,000円払って半日ないしは終日をホエールウォッチングに費やし、
クジラを見ることができず、そのお金を返してもらえなかったらどうだろう。

ハッキリと言おう。
ぼくだったら、
もう二度とホエールウォッチングに行こうとは思わない。
これでは、エコツーリズムやホエールウォッチングを
世に広めようとしている人が自らその門戸を閉ざしているのと同じではなかろうか。

そんなんじゃあ、困るなあ、と思ってざっと調べてみると、
「クジラが見えなかった場合もあるから許してね。お金はちょうだい。
 だって見られない事もあるって書いてあるでしょ。」

という考えの会社と
「クジラが見られないことはほとんどないから、
 もし見られなかったらお金は返しますよ。」
「クジラが見られなかったら、他のサービスをしますから、許してください。」

という考えが、半々なのかなあ、という印象を受けた。
どうせなら全国的に「見られなかったら無料」を徹底したほうが、
ホエールウォッチング業界のためになるのではなかろうか。
見られなかったときの保証が、次のお客さんに繋がっていき、
そしてクジラを見ることができた人はリピーターになり、
友人に口コミで営業してくれる最も効果的な営業マンになってくれるのだから。

どのホエールウォッチング会社も
価格競争になってしまっていると発表者は言っていたけれど、
そもそもエコツーリズムの目的は何なんだろう。
全ての関係者が共通の目標を持つ事が大切だ。
と言っていた教授がいた。
なぜ今更そんなことを言うのだろう。
共通の目的は、
エコツーリズムを浸透し、地域活性化と自然の維持と保護に貢献する事」
そもそもそこから始まったのではなかったのだろうか。
エコツーリズムを志す学生の多くが「行政、行政」と言っていた。
彼らは行政こそが全てだと思っているのだろうか。
もし本気でそう思っているなら、もう少し自分の周りを見つめて欲しい。
なんのために、先進各国には非営利団体が多く存在し、
日本でもようやくNPO法ができたのか、考えてみて欲しい。
この印象はなにもぼく個人の意見ではない。
比較的第三者的な立場でシンポジウムに臨んだ友人も同様に感じていた。
とはいえ結局必要になってくるのが、お金や権力。
いつになったら正直者が得をする世の中になるのだろう。
ぼくはできる限り、この正直者が損をする世の中を変えていきたいと思う。
それがなければ、ぼくが苦労してNPOを経営する理由なんてなくなってしまうから。

エコツーリズムをどうやって浸透させるか

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