屋久島紀行(15) -もののけ姫の森-

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-もののけ姫の森-
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「もののけ姫の森」と書いてある看板がちゃんとあった!
暗闇のなか、ヘッドライトの明かりに浮かび上がった看板。
正直、興ざめであった…(笑)
 2日めの朝はなかなか訪れなかった。
一夜を越えても降り続ける雨が空を覆い隠し、あたりはいつまでたっても明るくならなかった。
 すでに単独行の男性は小屋を出発しており、
そしてぼくとほぼ同時に撮影目的の2人パーティーがほの暗い森の中に消えていった。
雨の中で夜が明けるのを待っていたら
いつまでも先に進めないと思ったぼくも急いで小屋を出発することにした。
時刻は6時を過ぎていたと思う。
 うっすらと森の中に射してくるわずかな明かりを頼りに森を歩き始めた。
ふと横を見ると奇怪な形をした杉の木や、
切り株にまとわりつくように根を下ろしている植物が目に飛び込んでくる。
特に時折現れる巨大な杉は薄い光の中、神々しさを通り越して不気味ですらあった。
 雨が降りしきる薄暗い森。
そこには昼間は見ることのできない神秘的な風景がある。
 雨は時々弱く、時々思い出したかのように強く森に注ぎ込んだ。
足元には露出した木の根が這い、凹んだ道には水が溜まって沢のようになっていた。
少し先に歩いていたパーティーのヘッドライトの明かりが見えなくなると
いよいよぼくは森の中に孤独に取り残されてしまうかのようだった。
 やがて徐々に光が強くなってきて周りに生えているコケや、
巨木の姿がはっきりと見えるようになってくる。
水に濡れたそれらは空からの光に反射されてより水々しく輝き始めるが、
そうかと思うと急に影を現す。
つまり、天気は気まぐれだった。

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どこを見ても「緑」ばかりの屋久島の森
苔だらけの森、それが屋久島の森の表現かも。
 今日、白谷小屋から目指しているのは大株歩道。
かの有名な縄文杉や、ウィルソン株などがある、ここ屋久島のいわばハイライトコースだ。
そこまで行けば森林軌道があり、道は良くなることが予想された。
 しかし、それまでの道はかなり手強い。
訪れる人が少ないため、道は分かりづらくなってしまい、地面は大げさに凸凹としている。
 時々道の続きがわからなくなって立ち止まってしまうこともあった。
ただ、この森はかの有名なアニメ映画「もののけ姫」のモデルとなった場所なだけに
とても幽玄な雰囲気を持っている。
ふと背後に気配を感じて振り返ってしまうほどの空間だ。
きっと木霊がいるに違いない。そんな気さえしてくる。
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(つづく)
撮影機材:OLYMPUS E-3 + ZUIKO Digital ED 12-60mm f 2.8-4.0 SWD

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