環境に優しい燃料を使う

Homemade Alcohol Stove

Photo by jeffreyuk


Leave No Trace.

それは、環境に負荷を与えず、余計な痕跡は自然に残さない、という考え方です。

今回は環境に優しい燃料アルコールバーナーのお話をしたいと思います。

100年前、ヨーロッパから近代登山技術が渡来し、
日本山岳協会や大学山岳部は、 躍起になってヨーロッパのアルピニズムを追いかけ始めました。

そこにあるのは、山を戦う対象として捉えた挑戦的な登山。
対して、近代登山の伝来以前に日本で行われてきた登山は、
山を神として捉えた「神聖な登山」と、生きるための糧を得るための、「生活に根付いた登山」でした。

このような登山への姿勢の違いは、両地域の文化性によって生まれました。

日本では古くから当然のように山に入っていたのと異なり、
ヨーロッパでは、山は畏怖すべき悪魔のような存在だったからだといいます。

だから、日本の登山と、ヨーロッパ伝来の近代登山とでは
考え方が大きく異なると考えていいのではないでしょうか。

それは、世界にまだたくさんの魅力的な未踏峰が多かった時代、
「山を征服する」と言っていたところからも分かります。

さて、そのようなわけで、ヨーロッパ流の登山が増加した結果、
現在では山における日本流の知識が薄れてしまったようです。

例えば、燃料。

皆さんは今、山に登る時にどのような燃料を持ち込んでいるでしょう?
多くの人が化石燃料であるガスを利用しているのではないでしょうか。

ガス缶は確かに便利です。 すぐに火がつくし、暖かくて扱いやすいです。

しかし、ガス缶を使うということは、化石燃料を消費するだけでなく、
ガスを入れている缶そのものも廃棄物として出してしまいます。

しかも、たいがい、ガス缶の中味は使い切れないことが多いはずです。
ガス缶は持ち運ぶ時にかさばるから、中途半端に中味が残っているガス缶は持って行きづらいものです。

だから結局、中味の少なくなったガス缶は使わず、そのまま捨ててしまう。

こんなに勿体無いことはありません。

では一方で、古くからの登山ではどのような燃料を利用していたのでしょうか?

それは、松の木の皮などの燃えやすい物です。

もちろん、自然界にあるべきものとしてに存在するものです。

要するに、自然界にある着火剤を持ち歩いて、焚き火で煮炊きをしたり、
暖をとっていたわけです。 ま、当然といえば当然ですね。

現在でも、沢登りをする人の多くは焚き火を利用して、
料理をしたり寒い夜を暖かい夜にしたりしています。

とはいっても、焚き火は消火用の水があったり、
薪になるよく乾いた薪がたくさんあるからできるというもの。

しかも一朝一夕で使いこなせる燃料ではありません。

でも、ガス缶や灯油以外の燃料を使って環境に負荷を与えない、
Leave No Traceな登山を常に心がけたいもの。

そこで私がオーストラリアで出会ったのが、「アルコールバーナー」でした。

アルコールバーナーの仕組みはとても簡単です。
そう、小学校の頃に理科の実験で使った「アルコールランプ」だと思ってください。

あれは、火を付けるときはマッチ一本。
火を消す時は蓋をかぶせるだけという単純のものでしたよね。

同じものが、キャンプ用のバーナーにもあります。

それが、アルコールバーナー

アルコールバーナーの場合、お分かりのように燃料にはアルコールを使用します。
アルコールは化石燃料ではなく、蒸留をすることで得られるものです。

また、ガス缶のように使い捨ての入れ物は必要ありません。

更に、バーナーそのものも単純な作りのため、非常に長持ちします。
物を永く大切に使うということは、自然を大切にする上での一番基本的なこと。

以上の3点をみただけでも、
アルコールバーナーはLeave No Trace精神にのっとった装備だと思います。

もちろん、火力の調整も可能ですから、日本人が好きな米を炊くこともできます。

アルコールそのものの入手も簡単です。薬局に行けば、かならずアルコールが置いてあります。

ガス缶の場合は、飛行機に乗るのにうっかり荷物のなかにいれてきてしまい、空港で没収。
なんてことがあって、さあ、現地でどうやってガス缶手に入れるんだ?
ということになることもありますが、アルコールではそんなことはありません。

ハナからどこでも手に入るとわかってるわけですから、安心感が違います。

そんなわけで、アルコールバーナーの利点がご理解いただけたでしょうか?

ただ、アルコールバーナーはその構造の単純さゆえ、バーナーそのものが高温になるので、
使用の際にはなにかしらの下敷きが必要だということは、忘れないようにしていただきたい。

アルコールバーナーの採用で、少しLeave No Traceな登山に近づけると思います。

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