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屋久島紀行(7) -白谷小屋-

-白谷小屋-

この沢。
この沢にかかる橋を渡ると一気に道が悪くなる。
気持ちもだんだんと高ぶってくる。そんな地点。


 屋久島の森は明らかに関東のそれとは違う。新鮮な風景と新鮮な道。
道のなにが新鮮なのかというと、雨で土が流されて根がむき出しになっているというところ。

無論、この根を踏みつけたら痛みはするだろう。
だが、あまりの雨の多さにどうしようもない状況になっている。
いや、人の多さも原因なのかもしれない。
いずれにせよ、旅をしているぼくには理解し得ないことがたくさんあるようだ。
偉そうなことをいっている場合ではない。やはり自分の思いは行動に移さなければならないようだ。

 白谷小屋はひっそりとしていたが、予想外にもぼく以外の宿泊者がいた。
ふつう、この時期の平日に山小屋に行っても誰もいない。
ここでもやはり、世界遺産というブランドの強さを感じてしまった。
自分もそのうちの1人に違いはないのだが。

 南の島だからとタカをくくっていたぼくは薄手の夏用シュラフしか持ってきていなかった。
夜はとても寒かった。1人だという寂しさもぼくの体温を奪っていくかのようだった。

(つづく)

撮影機材:OLYMPUS E-3 + ZUIKO Digital ED 12-60mm f 2.8-4.0 SWD