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あなたもトカラ列島に衝撃を受ける

日本とは思えない島

私がはじめて見たトカラ列島はあまりにも悲惨だった。

600人強の人口は7つの有人島に振り分けられ、
1つの島の平均人口は当然のことながら100人以下。

島に暮らす人々の多くは高齢者でほとんどの人が
必要最小限の農漁業を営んでいるに過ぎない。

人口は減少していく一方。

更に、複雑な歴史背景 を持っているトカラ列島は
奄美群島振興開発特別措置法に適用されておらず、
村の運営はほとんど政府 からの援助に頼っている状態。

そもそも本土と列島を繋ぐ交通手段が
週に2便しかないフェリーのみ であるということに驚愕した。

当然、フェリーは出航する度に赤字を生み出す“赤字航路”。

その赤字も政府の援助によってなんとか賄っている状態なのにも関わらず、
本土から種子島を経由して
奄美大島に続く「海の国道」にこの航路は含まれていない。

 

何も知らなかったことに
気付かせてくれたトカラ列島

並べ立てたら切りがない現実に私は自分の無知さをののしった。

「なぜ国内にこんな場所が存在しているのに、
自分たちは海外にしか目を向けられなかったのだろ うか?」

トカラ列島の存在を知って以来、
私の国際協力に関する考え方は大きく変化した。

まずは国内を知らなければならないのだ、と。

ある島民も私にこう言った。

「なぜ国内にこんな場所が存在しているのに、
日本政府は海外にばかり援助をしているの?」

私は、この言葉で目が醒めたような気がした。