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剣山へもう一度 (2) ~長いアプローチだ~

翌日、冷たい朝の空気が漂う徳島駅に到着した。
剣山に行くためにはここから更に汽車に乗り、そしてバスに乗らなければならない。
(徳島に“電車”はほとんどない。そこで我々は鉄道を“汽車”と呼んでいた。)
しかし、バスを降りてすぐに目的の電車がやってくるなんて都合のいいことはない。
ここはもう徳島なのだ。
いくら県の中心地といっても目的の場所へ向かう電車は数時間に1本しか出ていない。
剣山へのアプローチはとても長い。
東京からだといつも2日がかりだ。
例のごとく待ち時間に食事をしたり、観光をしたり…。
そうそう、今回は「うだつが上がらない」の語源となった「うだつの街並み」を見た。
「うだつ」とはいわゆる防火壁のようなものだったらしく、
徳島貞光の「うだつの街並み」は特に珍しいもので、その「うだつ」が二重になっている。
「うだつ」を“上げる”にはお金がかかるから、
以来、いつまでも出世できない人を「うだつが上がらない」というようになったそうな。
ま、そんな感じで観光しつつも目的地のバス停までやってきた。
すると、ん?
コレはなんだ?

剣山へもう一度 (2) ~長いアプローチだ~
剣山へもう一度 (2) ~長いアプローチだ~
ああ、「ばあちゃん」がこの辺の特産品なんですね。

などと言いながら林道を歩いていく。
夏ならバスやタクシーももっと奥まで入れるのだが、
某タクシー会社に電話したら速攻で「入れません」と言われた。
そんなわけで仕方なく歩いているのだが、後で夜間以外は通行できることがわかった。
コンチクショウ。適当なこと言いやがって。
タクシー会社はちゃんと選ぼう。
林道沿いにフキノトウがときどき生えていたので、ちょっとずつ摘んでいく。
夏に沢でサバイバル生活していたぼくはもう山菜採りに夢中だった。
あれ? なにしに来たんだっけ?
てか全然雪ないけど大丈夫かなあ?

剣山へもう一度 (2) ~長いアプローチだ~
沢で休憩したり
剣山へもう一度 (2) ~長いアプローチだ~
つらい樹林帯を登ったり
剣山へもう一度 (2) ~長いアプローチだ~
倒れていた道祖神を元通りに戻したり
剣山へもう一度 (2) ~長いアプローチだ~

そしてようやく夫婦池に到着!
まだ雪がないぞ!?

夫婦池までの道のりはかなり長く、そのほとんどが急坂で大変だった。
しかし、予定とおりちょっと無茶なスケジュールをこなすことができて安心だ。
あとは快適なテントサイトを探して…と、その時。
ブオォーン…
バ、バスだ…観光バスだけど…。
一体今までの徒労はなんだったのだろう。
ぼくたちはあんなに急で険しい道を歩いてきたのに…

バス通れるのかよ!

ま、まあ山登りに来たんだし。落ち着こう、落ち着こう。

剣山へもう一度 (2) ~長いアプローチだ~
と、いうことで、
落ち着いてフキノトウを調理した。

<タイム>
剣橋 → 葛籠登山口 (30分)
葛籠登山口 → 夫婦池 (3時間)
※山道より、そこまでのアプローチが大変。
<撮影機材>
OLYMPUS E-3 + ZD 12-60mm
(つづく)
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