行き先は、風に聞いてます。

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屋久島紀行(18) -ウィルソン株だ!-

 雨は依然として降り続けていたが、観光客らしき登山者はどんどん大株林道へと入っていく。
ガイドが大声でさまざまな説明をしている。
登山客はそのガイドに従ってゾロゾロと歩いていった。
 ちなみに大株林道に行きたい場合、ガイドを雇わなければならないというルールはない。
また、ガイドを雇わなければならないほど危険な場所もない。
もし大株林道を歩いてみたいと思っている方は季節と事前の準備を十分に整えれば
問題なく歩くことができるので、そうした個人旅行をお勧めしたい。
 大株林道に一歩踏み込むとそこからは森林軌道とは打って変わって急で険しい道が続いていた。
縄文杉まで平坦な場所は一切なくひたすら斜面を登っていく。
それでもしっかりとした木道がついているのでだいぶ歩きやすかった。
 たまにツアー客が立ち止まっている場所に行くと、
たいていそこには何かしらのヤクスギが立っていた。
ツアー客は真剣にガイドの話を聞いているのだが、申し訳ないことに一本道では少々邪魔だ。
 そうやって何組かの集団を追い越していくと道が広がり、
ついに最大の切り株「ウィルソン株」にたどり着いた。

屋久島紀行(18) -ウィルソン株だ!-

たくさん人がいます。
10人以上いっぺんに入れます。

 畳10畳ほどもある広さをもつ切り株。
 中に入って一番最初に目に入るのは小さな祠だ。
丁重に祀られ、入手困難なことで有名な芋焼酎「三岳」がお供えされている。
その上部にはぽっかりと大きな穴が空いており、
そこからウィルソン株であったヤクスギが伐られたことで成長した3本の若いスギが見える。
そして株の右側にはこんこんと湧き出る泉があった。
とても神秘的な場所でしばらくぼおっとしていたいところだったが、人が多いので仕方ない。
実は一番楽しみにしていた場所がこのウィルソン株だったのだが、
名残惜しくも早めにその場を立ち去ることにした。
この先にはいよいよ縄文杉が立っている。
ぼくは再び険しい上り坂を登り始めた。
(つづく)
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撮影機材:OLYMPUS E-3 + ZUIKO Digital ED 12-60mm f 2.8-4.0 SWD