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屋久島紀行(25) -走ります、トロッコ道!-

屋久島紀行(25) -走ります、トロッコ道!-

手すりのない橋を渡る森林軌道は結構怖かったりする。
ウィルソン株を通り過ぎ、大株歩道に飛び出すと天気が非常にいいことを再認識させられた。
小屋の周辺はあんなに雪が積もっていたのにちょっと山を下るだけでこんなにいい陽気。
山の垂直気候の変化の激しさを感じるのは初めてのことではないが、
せっかく遠路はるばるやってきた屋久島で山頂を踏めずに下ってきていることはやっぱり口惜しい。
とにかく空は青く晴れ渡っており、水を十分に含んだ森は水々しく輝いていた。
「里に降りるバスまでの時間は十分にある」
そう思ってぼくは屋久島最後の山行を噛み締めるようにゆっくりと下っていた。


ところが、最後のトロッコ道が一向に終わろうとしない。
縄文杉の付近でわずかに携帯電話の電波が入ったので、
入山前にお世話になったOBにはすでに下山予定時刻を伝えている。
もしバスを1本乗り逃したら2時間以上も遅れてしまうことになる。
2時間も遅れたらだいぶ心配をかけてしまうだろう。

屋久島紀行(25) -走ります、トロッコ道!-

もうそろそろで着くと思うんだけどなぁ~。
このトンネル過ぎたらすぐかなぁ~。
ぼくはけっこう、いやだいぶ、いやかなり焦ってトロッコ道をそれこそトロッコのように走っていった。
やばいやばい。
ようやく下山口にたどり着いた頃にはバスの時間まで20分も猶予がなかった。
そこからバス停までは、重荷を背負った身では20分ではとても着きそうにない。
(つづく)
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撮影機材:OLYMPUS E-3 + ZUIKO Digital ED 12-60mm f 2.8-4.0 SWD