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離島はインフラが破壊されると絶望的。持続可能な島内循環システムがあればいいのに!

西日本での豪雨被害を受けた方には心よりお見舞い申し上げます。日本は、地震だけではなく様々な災害が起こり得る地域なのだということに気付かされざるを得ない出来事だったと思います。

今回は、このような災害と離島のインフラについて考察してみましょう。

西日本の瀬戸内海には多くの離島があることをご存知でしょうか? 海上保安庁によると、外周が0.1Km以上の島の数は727あるそうで、そのうち160ほどが有人島とされています。

瀬戸内海には島がいくつあるかな?

今回の豪雨に関するニュースでは、たびたび離島の被害も報道されていたことに気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。

離島で断水、住民支え合い 広島・佐木島

こちらのニュースでは、広島県三原市の離島「佐木島」で10日間に渡って断水が続いたことが報道されています。佐木島は人口約700名の島で、人口の66%は65歳以上という超高齢化離島です。

人間、生きていれば必ず使うのが水です。電気・水・ガス(最近はこれに加えてインターネット)は私達が生きるために必ず必要なライフラインですよね。

もし、水が使えなくなってしまったら、まず飲み水が不足するので命に関わります。また、料理ができなくなるので、これまた命に関わります。

トイレも流せないので不衛生になり、これまた命に関わりますし、お風呂またはシャワーを使えない場合は、そこまで緊迫した状態にはならないかもしれませんが、真夏に体を洗えなければ不衛生になりますから、やっぱり命に関わると言えます。

洗濯ができなければ汚れた服を着続けるハメになるので、やはり不衛生になって命に関わります。

そう、水というのは本当に本当に大切なものなんです。

世界保健機関(WHO)によると「一日に最低限必要な水の量」は1人あたり50リットル。

50リットルがどれくらいの量かというと、20リットルの大きなポリタンク2つと、10リットルの小さなポリタンク1つぶんです。これを毎日井戸や給水者から自宅まで運ぶというのは相当な重労働です。

しかも住民の66%が65歳以上です。若い男性でも20リットルのポリタンクを運ぶのは大変なので、65歳以上の方にとっての苦労は想像に難くありません。

それに、実際には50リットルもの水を毎日運ぶのは不可能なので、せいぜい1日20リットルほどで生活していたのでしょう。日本の生活用水の1人1日の平均使用量は289リットルということですので、その生活の大変さをうかがい知ることができます。

現在の日本では山奥から離島にいたるまで上下水道が整備されているので、水のありがたみはそれほど感じないかもしれません。蛇口をひねれば水が出てくる…。しかも日本の場合はそれ飲めますからね!

世界的に、蛇口から出てくる水をそのまま飲めるような国はごく少数で、平成16年度の国土交通省の調査によると13カ国とされています。

もちろん、これは日本人を基準にしているので、実際にはもっと多いはずですが、そもそも安全な飲水が使用できない人口は世界でなんと91%もいるそうです。

平成 16 年版「日本の水資源」 (概要版)

佐木島は本土からは5kmしか離れていないのですが、その5kmによってインフラが本土と分断されています。このような有人離島が日本には450近くもあるのです。

科学技術が発達し、離島でもそれほど不自由を感じずに暮らせるようになった現代ですが、まだまだ課題はたくさん残っています。

冒頭の記事でも指摘されているように、井戸の水質を検査して飲めるようにしておくことは重要だと思います。電気に関しても、再生可能エネルギーが普及すれば本土からのインフラ供給にたよる必要はなくなるでしょう。

そのそも離島は規模が小さいため、循環型社会を構築するのに有利な環境です。今回の災害を機に、各島のインフラ整備が進めば、持続可能な離島づくりの大きな一歩になるのではないでしょうか。