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その牛、農家さんです。

A herd of cattle standing on top of a dirt field

今更ですが、ぼくは東京出身です。東京生まれの東京育ちです。で、東京農大で農業とか地域活性化の研究をしていました。

そんな都会人が、海外の田舎それも離島に引っ越したわけですから、カルチャーショックを受けることは多々あるわけです。

例えば、牛さん。

日本で牛を見たらまあ大体「か〜わ〜い〜い〜」とか「肉用牛かな」とかって思いますよね。

澎湖(ポンフー)には結構、牛がいます。最初はぼくも肉用牛飼ってるのかと思っていたのですが、ある時、衝撃的な光景を見たんです。

それが、牛が畑を耕しているという現代日本では到底考えられない超牧歌的なワンシーンです。ちなみにこれほど「牧歌的」という言葉がしっくりくる文章を書いたのは人生で初めてです。

で、あわてて牛を引いていたおじいちゃんに聞いてみたところ、澎湖の牛の多くは農耕用だとおっしゃるんですね。

ミルクを絞るでもなく、肥やして売っぱらうでもなく、農家の一員としての牛なわけです。

その後も時々牛耕をしているところを目撃し、ああ澎湖では牛耕が今でも生きているんだなあと感心しました。

農大生的な観点で澎湖の農地を観察してみると、なぜいまだに牛耕なのかも分かりました。単純に畑が区画整備されていないのです。

機械を入れられるように畑を整備していないため、機械を入れるよりは牛でやった方が効率がいいのだということに気づきました。

何しろ、澎湖の農業は自給用が主で、大規模な農家はほとんどいません。そのため区画整備の必要がないし、機械がなくても牛耕で事足りるのでなおのこと現状維持でいいというわけです。

結果として、牛耕の文化が2020年の現在も息づいている、と。

先日、喜界島の園田さんとお話をしていたら、「喜界島も昔は牛耕をしていて、馬耕よりも牛耕の方が良かった。その理由は、牛の蹄は先が割れているのでいい感じに耕してくれるから。馬だと蹄が一つなので土が硬くなりすぎて良くないのだと聞いたことがある」と教えてくれました。

日本ではおそらく、牛耕をされている地域はもうどこにもないのではないでしょうか。一方で、隣国の台湾には牛耕の文化が残っています。

機械を使わない究極にエコな農業を目指している方は、一度台湾に来て牛耕を見てみると良いかもしれませんね。もちろん、効率で考えたら機械の方がいいのでしょうが、牛耕で作った野菜ならそれはそれで付加価値を付けられるような気もします。

補足すると、台湾で牛肉が食べられない方が一定数いるのはそのような理由からです。一緒に畑仕事をする牛は、日本人にとっての犬や猫と同じ家族。だから農家の子どもは牛を食べなかったりするんです。

ちなみにぼくのカミさんはそういうのはないので、牛肉が好物です。日本に行ったら必ずWAGYUを食べています。

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