ノーザンテリトリーのおいしい牛乳
いよいよ旅らしくなってきた。目に入る風景は果てしない一本道と二人の仲間。それだけだ。
ぼくらは周りの風景が明るくなるとともに自転車を漕ぎ出した。両肩を心地よい風が通りすぎていく。
この旅最初の補給地点となる場所はAdelade Riverという小さな村だった。
最初に行く場所はそう、もう決まっている。ゼネラルショップ(コンビニのようなもの)だ。そして、飲み物は…
ビール!
といきたかったところだが、この日はさすがにまだ日が高かったので、ぼくは路上にゴミとしてたくさん落ちていた「ノーザンテリトリー印」のコーヒー牛乳を買った。
これ、気になってたんだよね。
Masatoだけは
「コーヒー牛乳よりビールの方が安い…!」
などという危険なことに気づいてビールを注文したらしいが、10時にならないとアルコールは売れないと断られたようだ。
まあ、これは英語力ほぼゼロの彼の言葉なので確証はないんだけれどね。
その後、公衆トイレに入ってみると、なんと大変なものを発見してしまった。
なななななんと!
公衆シャワーである。
オーストラリアは水不足の大陸。そしてここはまさにそのど真ん中であるノーザンテリトリーだ。なんという予想外。
迷わずにシャワーを浴びる。
そして、服も洗濯する。
そして、路上で乾かす。
至福の時である。
この時を境にシャワーの心配はしなくなった。
ビーチ以外に公衆シャワーがある国なんてあるんだ。ちょっとカルチャーショック。
ノンビリ過ごしていると同じく自転車の旅人がやってきた。
彼はアデレードまで行くらしい。がんばってください。
お昼を過ぎるまで存分に休んだ後、涼しくなりだしてからまた自転車をジャカジャカし始めた。
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