そこにシワがあるから
「そこにシワがあるから」(著:松澤等)を読んだ。
ご存知だろうか?
「エクストリーム・アイロニング」を。
そう、究極のアイロンがけのことである。
なんて言ってもわからないか。
つまりは、
山の上や崖の途中、水の中など、
さまざまなエクストリームな状況でシャツにアイロンをかける。
という新しいXスポーツのことだ。
2008年に発行されたこの本は、
本邦初のエクストリーム・アイロニングに関する本で、
なかには松澤氏自身のエクストリーム・アイロニングに達するまでの話や、
実際のエクストリーム・アイロニング事情など多岐に渡る内容が書かれており、
エクストリーム・アイロニングとはなんぞや? という疑問を晴らしてくれるものになっている。
ぼく自身がエクストリーム・アイロニングを知ったのは2007年のこと。
当時トカラ列島に行くための情報集めに訪れた鹿児島大学探検部でこの言葉をきいた。
当初は「なんてバカげたスポーツなんだ。しかし、面白いな。」
としか思っておらず、東京に戻ってから改めて調べることもなかった。
そしてエクストリーム・アイロニングのことなんかすっかり忘れたある日、
ジョークの好きな探検部の後輩からこんな話を聞いた。
「今度エクストリーム・アイロニングの世界大会があるそうです。
日本は競技人口が少ないから簡単に日本代表になれるかもしれませんよ。」
なに。
確かに日本での競技人口はもう悲しくなるほど少ない。
(ちなみに本場はヨーロッパ。世界的にも競技人口は極少である。)
じゃあ、ちょっと調べてみようかな。
なんて不純な動機で改めて調べてみることにした。
するとどうだろう。
なんと…本がでているじゃないか。あほか。
などと言いつつも結局は本を購入してしまい、そして読むことにした。
するとどうだろう。
今まで半ばバカにしていたこのXスポーツ。
非常に奥が深いことがわかってしまった。
普通にそれをするだけでも大変なスポーツ(クライミングや川下りなど)に更に
アイロンがけを取り入れるという難しさ。
それは、明らかに難易度が高く、危険なことなのだ。
そして、新しく生まれたスポーツを広めるための関係者の様々な努力…。
ぼくは考えを改めた。
「エクストリーム・アイロニングはギャグの一種かもしれない。
しかし、それ以上のスポーツ性があるではないか。
そして、この新しいスポーツがどう成長していくのか、
その歴史をリアルタイムに感じてみたい。」
そう思った。
ある日、ぼくは何年かぶりにシャツにアイロンをかけた。
心地よく伸びていくシワ…。
筆者は語っている。
「ようこそ、固定観念の外側へ。」
そうだ、探検は固定観念の外側へ行くことから始まるんだ。
この本は、継続は力なりということ、
そして、新しいことへのチャレンジ精神をふつふつと煮えたぎらせてくれる本だ。
エクストリーム・アイロニング。
もっと知りたければ、「エクストリーム・アイロニング・ジャパン公式サイト」へ!
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