屋久島紀行(8) -西部林道へ-
-西部林道へ-
かねてから憧れていた屋久島に上陸したのは大雨のなか、
やっとの思いで到着した白谷小屋で一夜を明かすことになったその日のことだ。
前日の夕方に貨物船に乗り込み、そして12時間ほどかけて翌早朝に上陸をした。
屋久島で最初にぼくを迎えてくれたのは同じ大学の同じ研究室を卒業したOBとOGの夫婦。
初対面なのにも関わらず朝早くぼくのために港にやってきてくれた。
失礼ながら電話で約束をした時から旦那さんには妙な親近感を感じていたのだが、
第一印象はその予想通りだったと言ってもいいかもしれない。
実際、後でお酒を呑み交わしたときに大変気が合ってしまったし、
その時に彼から受けた影響はかなり大きいと思う。
そこには10歳以上という年齢差をとても感じさせなかった。
「類は友を呼ぶ」というが、そういうことなのかもしれなかった。
一方、奥さんとは本当に初めての対面だったのだが、
新しい生命をお腹に抱えたその姿を見ると不思議に安心した気持ちになることができた。
「島の西の方に行かないんだったら、今日案内するよ。
白谷小屋で泊まるんだったら昼から出発しても遅くはない」
そう言われてぼくは軽自動車に乗って島を半周する形で西部林道に向かって行ったのだった。
※ところでぼくは「フェリーはいびすかす」という貨物フェリーに乗船して屋久島へ行ったのだが、
残念なことにこのフェリー、昨年12月22日をもって廃止されたのこと。
貨物運搬がメインのフェリーだったため学割で2900円ほどという超激安価格だった。
もちろん、時間はやたらとかかった。
しかし、あのボロっちい雰囲気を楽しめたのは面白かった。
寝台特急はやぶさ号の引退といい、今回の旅行は何もかもギリギリの体験だった模様。
ここまでされると、なにか悪いことをしたような気分になってしまうから不思議である。
◆う~ん、不思議。
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(つづく)