小さな自然と大きな自然
目の前で小鳥がバッタと格闘をしている。
昆虫を食べようとしている小鳥はちょっと郊外に行くとしばしば目にする種類の鳥だが、肉も食べるのか、と今さらの発見をした。
バッタはしばらくもがいて小鳥のくちばしから逃れようとしていたが、やがて力尽きた。
なぜあの鳥はあの昆虫を選んだのだろう。
弱っていたのか、たまたま目に入ったのか。
どんな都会でも山奥でも少しだけ目をこらしてみると厳しい自然が見えてくる。
ひざがチクリとした。
よく見ると蚊が血を吸っていたので手で叩いた。
今度はスーツの袖にいも虫が這っていたので地上に下ろした。
小さな自然が、地球にある大きな自然を忘れないようにと懸命にぼくらにささやいている。
それに気づけるのはいったいどれくらいの人々だろう。