懲りずにトカラに行きました(10) -仮面神ボゼ-
-仮面神ボゼ-
わ、ビックリした。驚かさないでくれよ。
トカラ名物、悪石島の「仮面神ボゼ」。日本離れした装飾の仮面神だ。
ヤマトの仮面と大きく異なる点は、仮面が“頭”全体を隠すというところ。
ヤマトの仮面は“顔”だけを隠す“面”だが、こちらの仮面は頭もろとも隠す。
こうした仮面はトカラ以外にもかつて同じくトカラであった「三島村」にもある。
それと、東北の「ナマハゲ」なんかも頭全体を隠す仮面だ。
双方とも“年の節目”に現れるという共通点も持つ。
ボゼや三島村の仮面神の場合は“年の暮れ”に現れるわけではないが、お盆に現れる。
お盆が季節の節目であることを考えるとナマハゲと同様の役割を持っているといえるだろう。
日本離れしたデザイン、そして、東北の文化との共通点…。
後者は偶然であったとしても、
この日本離れした装飾がトカラからほど近東南アジアの影響を受けていることは間違いないだろう。
さまざまな文化が混沌と入り交じる場所。それが太古のトカラであったのだ。
(まだつづく)
撮影機材:OLYMPUS E-3 + ZUIKO Ditital 9-18mm f 4.0-5.6