LINE乗っ取り犯と中国語で話したら仲良くなった
最近流行りの「LINE乗っ取り」。
さまざまな方の報告を見ながら、自分のところにも来ないかな〜。なんて思っていたら、本当にLINE乗っ取り犯からメッセージが来ました。
事前に犯人は中国人っぽいという情報を得ていたため(どこからというツッコミは置いといて)、ためしに中国語でチャットをしたら微妙に仲良くなって面白かったので、その全貌をご紹介します。
LINE乗っ取り犯に対して、台湾人のフリをした。
おお、ウワサの「手伝ってもらっていいですか?」だ!
左がLINE乗っ取り犯人で、右がぼくですね。
コイツ(IDが乗っ取られた友人)は同期なんだけど、たまにうやうやしく敬語を使うから、メッセージが来て1秒くらいは本人かと思いました。危ない危ない。
さっそく、台湾人のフリをしてみました。以下、日本語訳で会話をご紹介します。ちなみに中国語の文法と翻訳はそれっぽい感じなので、見本にはしないでください。
自分:何言ってんの?
LINE乗っ取り犯:近くのコンビニエンスストアでitunesカードを買うのを手伝ってくれないの?
↑この時点で本当にLINE乗っ取りだと感動。というか、「手伝ってくれないの?」って言い回しは自然な日本語のような、不自然な日本語のような…。次の瞬間、やべえコイツ日本語通じねえと思って中国語で同じことを言っていますね。
自分:あんた誰?
自分:もしかして〇〇?
自分:まさか中国語話せるとは思わなかったよ。すごいね! ああ、それでitunesカードってどこで買えるの? どこでも買えるのかな?
LINE乗っ取り犯:うん、おれがそうだよ。コンビニならどこでも買える。買ってきてくれるかな?
↑「うん、おれがそうだよ。」じゃないよ。オレオレ詐欺かよ。
LINE乗っ取り犯:5枚欲しい。
自分:ちょっと待ってね。
LINE乗っ取り犯:うん。
LINE乗っ取り犯:買ったらカードの裏側にあるパスワードのとこを削って、写真撮って送ってちょ。
LINE乗っ取り犯:買った?
↑なんでおれがLINE乗っ取り犯のためにitunesカードを買わないといけないんでしょうか。しかもすごい急かしてきます。itunesカード自体今まで買ったこと無いし。ていうかそもそも本当の友人だったとしても買ってあげないし。
自分:セブンイレブンにはないよ。
↑ちなみに本当にセブンイレブンにいました(笑)。しかも、itunesカードは本当になかった。
LINE乗っ取り犯:コンビニならどこでもあるよ。
LINE乗っ取り犯:(写真を送る)
↑おお、ていねいに写真を送ってくれた…。これなら間違えて買うこともありません。
LINE乗っ取り犯:これと同じの買ってちょ。
自分:ていうか今日仕事ないの? 学校で働いてるんじゃなかったっけ?
↑本当の友人は学校の先生なのだ。こんな時間に授業をほっぽり出してitunesカードを買ってもらうなんて…! 生徒は自習中なのでしょうか。教育委員会に報告だ!
LINE乗っ取り犯の目的は、香港への転売?
LINE乗っ取り犯:今外にいるんだよ。急いで必要なんだ。
LINE乗っ取り犯:とにかく買ってくれればいい。お願いだよ。
↑おお、お願いされちゃいました。お願いには弱いぼくなので少し心が動いてしまいます。そういう作戦か?
自分:てか、なんで必要なん?
LINE乗っ取り犯:香港から来てる友達が高く買ってくれるんだ。ちょっとだけ儲かるんだよ。
↑なな、なんですって!? LINE乗っ取り犯自ら、香港への転売を自白してしまいました。いや、本人はぼくの友人のつもりなんだっけか。
LINE乗っ取り犯:お願い手伝って。マジでお願い。
自分:なるほどねえ。
LINE乗っ取り犯:今すぐ買ってもらえるかな?
自分:じゃあさ、いつお金は返してくれるの?
自分:これは結構重要な話だぜ?
LINE乗っ取り犯:お金のことは心配要らない。ちゃんと返すからさ。
LINE乗っ取り犯:うん、重要な話だよね。
↑意外と素直です。
自分:じゃあさ、今度ごはん食べに行こう。その時返してくれればいいよ。
自分:ねえ、何が食べたい?
↑後でネタにするために必死にLINE乗っ取り犯の好きな食べ物を聞き出したいぼく。
LINE乗っ取り犯:いいよ。直接振りこんで返すから。お金のことは安心してくれ。
LINE乗っ取り犯:お前はさっさと買ってくれ。
↑ちぇ。ノリが悪いなあ。と思って更に続けてみます。
自分:おれは日本料理がいいな。どっかいいとこ知らない?
LINE乗っ取り犯:さっさと買ってくれよ。買ったら食べていいからさ。
自分:はいはい。
LINE乗っ取り犯:今行け。
↑なんかイライラし始めました。
自分:心配するなよ。今セブンイレブンにいるから。
LINE乗っ取り犯:うん。
LINE乗っ取り犯:ねえ、買った?
自分:ちょっと待って。このお店にはないわ。他の店に行ってみるね。
LINE乗っ取り犯:急いでね。
↑この間に、犯人の地域を特定するためのトラップを一所懸命仕込んでいます。
自分:どっち?
自分:(アクセスすると犯人がいる地域を割り出すURL)
自分:見て見て。
LINE乗っ取り犯:(画像)
LINE乗っ取り犯:これと同じのを買えばいいよ。
LINE乗っ取り犯:5枚ね。
↑ちぇ。引っかかってくれません。
自分:2種類見つけたよ。どっちか見てくれる?
自分:確かめるために写真を見て。
LINE乗っ取り犯:お前が撮って送ってくれたのがそうだよ。
↑いや、だから2種類あるからどっちか教えてよ。さあ、URLを踏むんだ!
自分:右? 左?
LINE乗っ取り犯:(写真)
LINE乗っ取り犯:これと同じのを買って。
自分:はいはい。ちょい待ち。
自分:台湾のでもいいの?
LINE乗っ取り犯:MYcardある?
↑MYカード!? そんなの知らないよ!
自分:MYカード?
LINE乗っ取り犯:そう。
LINE乗っ取り犯:そのカードない?
LINE乗っ取り犯:itunesのない?
自分:これ(トラップ付きURL)
LINE乗っ取り犯:これはないのか。
LINE乗っ取り犯:ラックに掛けてあるカードの写真撮って送って。
LINE乗っ取り犯:お店の人に聞いて。
↑うーん、やっぱりトラップには引っかかりません。そろそろ面倒になってきたので、この辺でやめることにしました。最後に面白いリアクションをもらってみましょう。
自分:店員さんはね…
自分:魚釣島と台湾は両方共、中国のものじゃないって言ってるよ!
↑立場的にしていい発言かどうか微妙ですが、どんな反応をするのか見てみたいのでワクワクして待ちました。すると…。
LINE乗っ取り犯:うん、知ってるよ。
↑うえええええ! あっさり認めちゃったよ。なんだこいつ、もしかして親日派か? それとも「大陸」って書いたのがいけなかったのか? たしかに魚釣島も台湾も大陸じゃないしな…。でも常識的に大陸=中華人民共和国だと思ったんだけど…。
LINE乗っ取り犯とぶっちゃけトークをしてみた。
LINE乗っ取り犯:買った?
LINE乗っ取り犯:急いでるんだ。
↑もう仕方有りません。領土問題は棚上げで先に進めようとしています。面白い反応も得られなかったので、ここから先はぶっちゃけトークをしてみることにしました。
自分:わかった。わかったよ。どうやらきちんと日本人をどうやって騙すか勉強したようだね。
LINE乗っ取り犯:あんたどこの人?
自分:お前は?
LINE乗っ取り犯:中国。
LINE乗っ取り犯:大陸だ。
↑むう、やはり大陸の中国人が犯人だったようです。最初はGoogle翻訳とかで各国語にして会話しているのかと思ってたけど…。
自分:中国でもLINE使えるの? みんなLINE好き?
↑もはやただの好奇心です。
LINE乗っ取り犯:あんた何人だよ?
自分:どう思う?
LINE乗っ取り犯:分からない。
↑ぼくの下手くそな中国語のせいもあって混乱しているのでしょうか。
自分:で、itunesカードはどうやって使うの?
自分:知りたいなあ。
LINE乗っ取り犯:あんたは、どこの人だってば?
自分:大丈夫大丈夫。
↑とっさに打ちましたが、自分でも意味不明。
LINE乗っ取り犯:?
自分:itunesカードはなんで必要なの? なんで日本人を騙すの?
↑ここからはできるだけ情報を得ようと必死。
LINE乗っ取り犯:だって日本人は犬だからね。喜んでするよ。
↑なななな、なにい!? おれたち日本人は犬だと? できればトイプードルとかだといいな。可愛がってくれるし。いや、そういう問題じゃない。なんてひどいことを言う奴だ。しかも、なんか頭にカチンとくるステッカー付きだ!
自分:(同じステッカーを返す)
↑とりあえず相手の懐に入ることを試みました。
自分:でも、この方法はもうみんな知ってるよ。やり方を変えたほうがいいね。一人でやってるの?
↑アドバイスをしちゃうぼく。なんて親切なんでしょう。これで心を開くはず。なんてね。
LINE乗っ取り犯:どうすればいい? 教えてくれ。
↑って、ななな、なにい!? 自分が騙そうとした人に新しい詐欺を教えてもらおうとしてるよ! なかなか勉強熱心だな。まさかの展開。
LINE乗っ取り犯:LINE以外でさ、チャットできるやつある?
↑しかも結構食いついています。
自分:日本語はしゃべれるの?
LINE乗っ取り犯:できるよ。
自分:すげえや!
↑とりあえず褒めます。
自分:一人でしてるの?
自分:でも、今はおれの友達のID使ってるから、お前のID教えて。で、それで話そう。
↑ふふふ。ちょっとバカっぽいから引っかかるかも。IDゲットしたら即通報だ! なんて思って。
LINE乗っ取り犯:じゃ、ID交換する代わりに何枚itunesカード買ってくれる?
自分:(なんだって!?)
↑まあ、さすがに引っかかりませんな。
LINE乗っ取り犯:(なんかむかつくステッカー)
自分:ダメダメ。今まで何人も騙してるでしょ?
自分:(相手をおちょくるステッカー)
LINE乗っ取り犯:君が一人目さ。
↑えっ。そんな、ぼくが一人目の男の子なの…? ドキドキ。
LINE乗っ取り犯:深く考えなくていい。
自分:嘘! 私が1人目のはずはないわっ!
LINE乗っ取り犯と芽生える友情
自分:ほとんどの日本人はこの詐欺知ってるからね。でもまさか返事してくれるとは思わなかった。
LINE乗っ取り犯:(Good! なステッカー)
自分:(好きな人に嬉しいことを言われたときに使ってみたいステッカー)
↑あれ? まさか友情…?
自分:他の人も同じことしてるの?
LINE乗っ取り犯:バカヤロウ。お前は知りすぎだ。
↑ガーン! せっかく友情が芽生えたと思ったのに。ヒドイ! でもまだ退出してないから話しかけられる!
自分:ごめん。
↑とりあえず謝る。
自分:知りたかっただけなんだ…。
↑まだがんばります。
さて、その後、友人がIDを削除して二人の友情は終わりましたとさ。皆さんもLINE乗っ取り犯から連絡が来たら中国語で話しかけてみましょう。このように話しかけることで相手に無駄な作業をさせることができ、被害を減らす役にも立つかもしれません。
なお、念のためすぐにLINEのパスワードを変更しておきました。
ところで台湾人って本当にLINEよく使います。この記事も読むと台湾人とLINEの関係がよく分かりますよ!