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台湾のコロナ政策「5倍券」と、その凄さとは?

2020年は先進国で唯一コロナ禍を逃れて一人勝ちしていた台湾ですが、2021年はクラスターが発生し、第3級警戒(日本で言う緊急事態宣言。最高の第4級になるとロックダウンです。)にまでなりました。

しかし、台湾の得意とするデジタル政策のおかげで感染者の接触の追跡を可能にしていた甲斐があり、現在は第2級で落ち着いています。

ここ1ヶ月以上は、1日あたりの感染者数が全国で0〜5人ほどで推移しているので、そろそろ普通の経済に戻そうよという機運の高まりを感じています。

そう、経済を戻しましょうよ! ということで9月22日から予約が始まったのが。

五倍券

です!

五倍券、それは5000元の現金支給みたいなもの

ちょー平たく言えば、5000元分のお買い物券を政府が国民にプレゼントするよ!って言う政策です。

5000元は日本円にすると2万円くらい。物価で価値を計算すると日本で言う3〜4万円くらいになります。

日本では現金10万円支給というのがありましたよね。でも現金だと貯蓄に回ってしまうというデメリットがありました。

一方、台湾政府が選んだのは現金ではなく、使用期限があるお買い物券だったわけですね。

2020年には三倍券というお買い物券があったのですが、こちらは1000元で3000元分のお買い物券を買えるという仕組みでした。

今回は、1000元を支払う必要も無くなったので、事実上5000元分の支給ということになります。もはや五倍でもなんでもないですね。ハッピーとしか言いようがありません。

台湾ではコロナ対策がうまくいっているので、だいぶ予算が余っているらしいですよ。

もちろん、外国人も配偶者が台湾国籍ならもらえます。なので我が家では1万元ぶんのお買い物券がもらえちゃうわけですね。

言い換えれば現金4万円支給! やったー! ちょうど引っ越しを控えているので、これは嬉しいです。

ほぼ全てのお店で使えるのがすごい

そんなこと言ったって、どうせ使える場所が限られているんでしょ? と思われるかもしれません。

が、そこは超合理的効率主義デジタル国家台湾です。ぼくも民宿を経営しているので2020年に三倍券やその他の補助を取り扱ったのですが、お客さんからもらった券を銀行に持って行くだけで換金できてました。かんたーん。

なので、普通のお店ではもちろん、屋台でも使えたりしたんですね。

だから、冒頭に書いたんです。ほぼ現金支給と変わらないと。

でも現金と違うのは、期限があること(2022年4月30日まで)です。約半年の間に、ほぼ確実に2300万人が5000元を消費します。

いくらになると思いますか?

1150億元、日本円にして4600億円ですよ。

しかも国内消費のみですからね、これは期待できますね。

しかし澎湖(ポンフー)への恩恵は限定的か?

とはいえ、ぼくのビジネスにはあまり影響がないかもしれません。というのも、澎湖(ポンフー)はこれからオフシーズン。

この時期に5倍券をわざわざ使って澎湖旅行する人は少ない気がします…。

むしろ販売間近のiPhone13購入に充てる人が多そう! 時期的にピッタリすぎて、Appleよ、ここを狙ったのか!? と思わずにはいられません。

毎年同じ時期に発売しているんで関係ないに決まっているんですけど。

誰も取り残さない受け取り方法もあり、SDGs先進国感も感じさせます

このいいことづくめの五倍券の受け取り方法は、大きく分けて電子式と紙のものと2種類あります。

電子式の方がコストダウンできるので、政府的にはなるべく電子式で受け取って欲しいそうです(国民としてもここでコストかけるより他のことに回してもらいたいですしね)。

とはいえ、そういうのが苦手な方もいらっしゃいますので、紙で受け取りすることもできます。コンビニや、郵便局などで受け取れますので、全国どこにいても受け取れますね。

最近話題のSDGsって、誰も取り残さないっていうのが基本じゃないですか。そういった観点から見ても、デジタル弱者のこともきちんと考えている台湾って、SDGs先進国だなーって思います。

こういうことができるのが、本当のデジタル先進国なのでしょう。

ただ複雑すぎる側面も

ただ、これに乗っかってさまざまな企業が「うちのクレジットカードにチャージしたら、さらに+1000元!」とか色んなキャンペーンをやっています。

これが種類が色々ありすぎて…😅

普通に5倍券もらってもいいのですが、この辺のキャンペーンを色々調べた方が得はしそうです。この辺は商売っ気の強い台湾人らしさをめっちゃ感じますね。

あなたなら何に使う?

ほぼ何にでも使えるお金、でも期限は半年後。そんなお金をもらったら、あなたは何に使いますか?

普段行けないレストランでディナー?

はたまた、行きつけのお店をサポートするために使う?

旅行もいいですね。台湾国内ならまだ安全です。

とはいえ、まだコロナが収束したわけではありませんので、感染症対策には十分気をつけた使い道を考えようと思います。