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雪山で最も役に立つバーナーは?

屋久島の知人が東京にいらっしゃるというので、一緒に南アルプスの鳳凰三山に行くことになった。雪山に行くのはほぼ1年ぶりである。

雪山といえば、4月にしては異例の大雪となった日にちょうど尾瀬に行ったことを思い出す。オーストラリアから帰ってきて1週間も経たない時のことだった。あの時、雪山では初めての単独行で、テントも3シーズン用だったから本当に寒かった。そして寂しかった

今回は2人で行くので寂しい事はなかろうが、自分自身久しぶりな事に加えて、同行者は雪山の初心者である。しかも、ぼくは帰って間もなくトカラ列島に行くことになっている。

同行者も同じくらいの時期にお客さんが入ってるらしいので、状況は同じようなものか。とはいえ不安がないわけではなかった。

さて、3シーズンの装備に関しては、テントの代わりにヘネシーハンモックを採用し、バーナーは化石燃料を使わないアルコールバーナーに変更、その他諸々も自分なりの改良を加えて、かなり満足のいく状態にはなった(この装備のことは夏のシーズンにでも書こうかと思う)。

が、冬山装備に関してはそうもいっていない。なぜなら頻繁に行くわけではないし、他の旅にあんまり応用できないからだ。

ということで、雪山装備についてもう一度考えてみた。

まず、普段のキャンプで使っているアルコールバーナーでいいのかどうかからだ。

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よくない。

去年の4月に、アルコールバーナーでは暖がとれないことが発覚している。

かといって、自転車旅行用のMSRのガソリンストーブもダメだ。あれは外で使わないと危なっかしくてしかたない。プレヒートの火柱が1メートルくらいになることがあるからだ。

では、ガスバーナーか? という話になるのだが、ぼくはガスは好きではない。なぜなら、ガスは化石燃料だ。そして、使い終わったガス缶は邪魔だし、資源の無駄だ。

結局ラジウスが一番いい

などと考えると、結局落ち着くのがラジウス(灯油ストーブ)。おいおい、灯油も化石燃料だぜ? という話でもあるが、こればっかりは許してください…。

探検部時代はなんでこんな時代錯誤なアイテムを使っているのかとばっかり思っていたが、今、アルコールバーナー、ガソリンバーナー、ガスバーナー、灯油ストーブと全部使ってきたその後の結論が、冬はやっぱり灯油ストーブでしょ。というものだった。

灯油ストーブは素晴らしい。

まず、暖かく燃費がいい。灯油も(最近は高いが比較的)安い。山に持って行く灯油はペットボトルに入れれば、使用後はぺちゃんこにつぶせる。

重くて臭いけど、頑丈だし、暖かいんだ、これが。

快適なテント生活のためには、我慢してでもこの重くて臭いヤツを持って行こう。よし、やっぱり冬山はラジウスだぜ。ま、他にもいいバーナーはあるのだろうが、今のところ灯油ストーブが一番だと思う。

…なんて思っていたのだが、常に新しいアイデアを与えてくれる「カンダハー」の店長と話していたら、アルコールバーナーの上に豆炭を置くのがいいですよ、とのことだった。

なな、なるほど。山男には思いつかない斬新なアイデアだ。店長もキャンパーの友人から教わったらしい。

アルコールバーナーの上で炭を暖めておけば、火が消えた後も炭は暖かい。なにしろ日本には昔っから「火鉢」という代物があるくらいだ。

ちなみに四万十川のほとりにある丸太小屋に暮らしていたときもこの火鉢で暖をとっていた。

炭を暖めれば暖がとれ、寝る前にはテントの前室にでも出して、その上に雪を積めたナベを置いておけば完璧だ。翌日にはすっかり雪は溶けて飲み水になっているだろう。

そうかー。その手があったのかー。だが豆炭をテントという密室で使うのはいかがなものだろうか…。

でも今回はラジウスを持って行くぜ。金色にかがやくお前、きっと活動に連れて行ってもらうのは10年以上ぶりだろう。

なぜなら6年前大学に入学したときに高校のワンダーフォーゲル部の部室から譲り受け、その後は探検部のラジウスを使っていたから結局一度も使っていないのだ。

ちょっと火の様子がおかしいが、まあ使えるだろう。ガスバーナーも持って行くし。次回はその他の雪山装備について考え直してみようと思う。