行き先は、風に聞いてます。

🔖 メニュー

沢登りin台湾「三光渓」#02

2013年4月26日夜出発〜28日の間に台湾で沢登りをしてきました。台湾人6人、日本人2人の合計8人パーティー。

日本とはまったく異なる海外での沢登りを体験し、そしてお互いの国の文化の違いを知ることができた、面白おかしい沢登りでした。

前回のお話はこちら

[kanren id=”2182″]

雨はやんだ

朝は5時に起床。夜中じゅうタープに雨が叩きつけられていましたが、朝は奇跡的に雨が降っていませんでした。

もぞもぞと準備を開始。言葉は不自由だけど、朝の行動は台湾の人も同じなようで、シュラフを片付けて朝御飯を食べて、ぼちぼち出発しました。

いきなり歩けなくなる

だいたい1時間半くらいで出発の準備をし、そこからちょうど1時間くらい尾根を下りました。尾根を降りている途中で大きくなる沢の音。

降り立った沢は、標高1,000m足らずの山の沢とは思えないスケール! …かと思ったら、まあ確かに大きいけどこの時点では、そこまでビックリはしませんでした(笑)。

それから河原歩きをしていたのですが、ぼくは急にものすごく気分が悪くなって、歩けなくなってしまいました。

「うわー、思ったより体力が落ちてるよ、やべえなあ。この先本当に沢登りなんてできるのかよ…。」

なんて思って、あまりにも体力のない自分にビックリしましたが、台湾人に「Go!」って言われて歩き始めたら意外と歩けました。

なんだったんだろうか、あれは。

おれだけアッセンダーがない

沢登りin台湾「三光渓」#02

河原を歩けなくなるといよいよ沢登りらしく、水線沿いの遡行が始まりました。やはり、水量がめちゃくちゃ多いです。

それでもスケールの大きな台湾の沢を楽しんで快適に進んでいました。すると…。

目の前にどうやっても登れそうにない7m滝が出現。左岸から捲けそうですが、その捲きも結構悪そうです。

トップが空身でザイル(ロープ・命綱)を引いて登っていきます。でもなぜか途中で一切支点を取りません。彼らは落ちないことが前提なのです…。

「うわー、悪そう…。登れるかな…って、え? 皆アッセンダー準備してる! おれ持ってないよ!」

アッセンダーとはザイルに取り付けて登るための特殊な器具です。探検部時代はよっぽどでないと、アッセンダーで登ることはなかったため、どうせ今回も使わないだろ、なんて思って持ってきていなかったのです。

しかし、確かにこれはアッセンダーがないとキツそう…。プルージックならあるけど、どうしよう?

結局、後輩が先に登った後、後輩のアッセンダーを下ろしてもらうことに。が、しかし案の定途中で引っかかって下まで落ちてきませんでした。

すると、台湾人の隊員の1人が「予備の」アッセンダーを貸してくれました。え…予備持ってんのかよ…。

そんなこんなでなんとか大滝を越えましたが、この先こんな悪いのが続くのかと想像すると気分が滅入りました…。台湾の沢はアッセンダー必携だと思います。

そして、台湾の沢はめっちゃスケールが大きいです。でも、この三光渓は序の口…。

沢登りin台湾「三光渓」#02

沢登りin台湾「三光渓」#02

温泉があった!

大滝を越えた後もイチイチ難しい場所が出てきます。現役時代なら楽しかったと思うのですが、いまのぼくは、もうヘロヘロ。

それでもまあ、泳いだり、引っ張られたり、むき出しの膝をボロボロにしたり、愛用のカメラをザックにしまってもらおうと思って頼んだら、言葉が通じず、びしょ濡れにされたり、まあ色々ありました。

そしてそして…沢登りin台湾「三光渓」#02この三光渓のハイライトである温泉に到着! こんなに深い沢の中に天国が…!

まだ活動中なのにコッフェル(鍋)がぷかぷか浮いてきて、中を覗くと台湾ビールとおつまみが!

「台湾の人って全然お酒飲まないんじゃなかったっけ? それどころか、活動中に酒飲むのか!」

などとツッコミつつ美味しくいただきました。

ちなみに、温泉を遠くから見た写真は下。白い滝全体が温泉になってます。

沢登りin台湾「三光渓」#02

台湾人は歌が好きだった

さて、温泉で2時間くらいゆっくりした後、再び遡行開始。温泉ですっかり暖かくなっているものだから、水のなかに入ったら脚が吊りそうになって焦りました。

沢登りin台湾「三光渓」#02

ビバークポイントに到着すると、日本の沢登りと同様、特に示し合わせることなく、それぞれ自分がやるべき事をします。

ある人はタープを張り、ある人はすぐに着替え、ある人は焚き火のための薪を集めます。

ずっと雨が降っていたので、乾いている薪は有りませんでしたが、火をつけるのが上手なのか、すぐに焚き火が出来ていました。

ナタを使って生木を切って、その木の皮に火を付けていたようです。本当、焚き火には個性が出ます。

沢登りin台湾「三光渓」#02

ディナーは、完全に台湾風。何が台湾風かと言うと、ご飯・肉野菜炒め・野菜炒め・なんかの肉(多分豚肉)・スープ…というバリエーションが、いかにも台湾風。

台湾の食事って、肉が多くって、野菜も多いんですよ。でも、野菜はキャベツだけ山盛り! みたいな場合が多く、山でもそうだったので、なんかいかにも台湾だな〜なんて思ってしまいました。

ちなみに米を炊いたのは日本人隊。「Japanese are rice cooking professional!」とか言ってました。久しぶりにガス缶で米を炊きましたが、上手にできて良かった…。

お酒はあまり飲まず、ビール1本飲んだら焚き火を囲んで談笑。途中からお互いの国の歌を歌い始めましたが、これが止まらない(笑)。台湾の人ってカラオケ好きなのかな〜。残念ながら星は見えませんでしたが、雨はありませんでした。

[box class=”box32″ title=”台湾三光渓沢登り2日目(役に立たないマトメ)”]

  1. 入渓点まで1時間の山歩き
  2. 大滝をゴリ押しで捲く
  3. 泳ぎまくって一眼カメラが故障する
  4. 温泉でビールを飲む
  5. 温泉を過ぎて2時間くらい歩いた河原でビバーク[/box]

次回のお話はこちら

[kanren id=”2266″]