最後の冒険家
「最後の冒険家」(石川直樹著)を読んだ。
昨2008年、自作気球としては世界初の快挙となるはずだった
太平洋横断の最中に消息を断った 神田道夫さん との4年間をつづったノンフィクションだ。
石川直樹さんは現代を代表する冒険家の1人で、
昨年、富士山の写真集を発行した写真家でもある。
そして、神田道夫さんは気球界を代表するアマチュア冒険家の1人だった。
彼はそれまでの気球に関するさまざまな世界記録を破った。
そんな彼が最後の冒険として計画していたのが、2008年の太平洋単独横断飛行だったのだ。
この本を購入したのには理由があって、
それは登山以外の探検に関するヒントが欲しかったから。
それと、この本の最終章に突然、トカラ列島の悪石島が登場したからだ。
もうだいぶ知名度が上がっているかとは思うが、
悪石島は鹿児島県のトカラ列島にある島の1つで、
今年7月22日に観測される今世紀最大の皆既日食を
世界で最も長時間観ることができる陸地だ。
そう、2007年春から2008年の秋までぼくが何度も訪れたトカラ列島の島の1つだ。
神田さんは石川さんと共に2004年にも太平洋横断を実行し、失敗している。
その時2人が乗っていたゴンドラは太平洋に着水したが、2人が救助された後、
回収されずに太平洋の漂流を続けていた。
そのゴンドラが、なんと、2008年の夏に悪石島に漂着したというのだ!
なんという偶然。
我慢できずに購入してしまったというわけだ。
肝心の中身はというと、
- 気球とはどういうものか
- 神田さんと石川さんの第1回太平洋横断計画について
- 神田さんのプロフィールと冒険の記録
などについて書かれている。
特に神田さんの冒険に関してはページが多く使われており、
ぼくが一番興奮したのはやはり、
神田さんと石川さんが行った2004年の太平洋横断計画の章だ。
計画が失敗し、海を漂流して生死を彷徨う部分の描写には鬼気迫るものが確実にある。
もし書店でこの本を目にした方には、ぜひ読んでもらいたいと思う。
公務員でありながら冒険家でもあった神田さんの生き様からは何とはなしに勇気がもらえる。
同時にアマチュア精神の大切さにも気付かされる1冊でもある。
この本を読んで「おれも気球をやろう!」と思ったのは言うまでもない(^^;
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