沢登りを始める前に知っておくべきこと
Photo by Daichi Miya
そろそろ沢登りの季節になりますね。
暑い夏の日には、暑い登山ではなくて涼しい登山を楽しみたいと思いませんか?
沢登りは、日本古来の登山形態として知られており、
少し前まで沢登りは冒険的なものとして捉えられていましたが、
近年になって沢登り人口が増えつつあるのを感じています。
沢登りは、山の沢のなかを時に泳ぎ、時に滝を登攀しながら沢を登り、山の頂を目指す登山のことですが、
この登山は想像したらすぐに分かるとおり、非常に危険な登山です。
- まず、沢は天候によって大きく状況が変わるという点。
- 急流に流されてしまう危険があるという点。
- 低体温症になってしまう危険があるという点。
- 滝のなかに飲み込まれてしまう危険があるという点。
- 滝の登攀中に滑落する危険があるという点。
- 滝の登攀を避けて尾根を登るときに滑落する危険があるという点。
- そして、釣り師に煙たがられる可能性があるという点。
など、さまざまな危険要素があります。
このなかでも最後の「釣り師に煙たがられる」は特に要注意。
他の危険要素よりも遭遇する確立が、場合によっては高いからです。
さて、それぞれの危険要素を見ていくと、
お察しの通りロッククライミングに近いものがあることにお気づきでしょうか。
そう、沢登りをするには通常の登山の知識はもとより、
ロッククライミングに関する知識も必要不可欠です。
また、水を相手にする以上、低体温症の危険性や鉄砲水への対応も知っておかなければなりません。
特に鉄砲水は前触れもなく、予知が非常に難しいので要注意です。
私も東北にある八久和川という5級の沢を登っているときに鉄砲水に見舞われたあげく、
滝壺に飲み込まれ、生死をさまよいかけた経験があります。
これから夏になって「山と渓谷」や「岳人」などで沢登り特集が増えていくことと思いますが、
沢登りは一人でできるものではありませんし、素人が手を出せるものでもありません。
もし沢登りに興味がある場合は、必ず、正しい知識を持っているパートナーと行きましょう。
そして沢登りをしている方も安易に人を誘ってはいけないと私は思っています。