谷川岳ヒツゴー沢
8月2日の昼に東京を出発して、3日の日帰りで谷川岳のヒツゴー沢に行ってきた。
深田百名山の一峰、谷川岳に突き上げる沢だ。
この沢は直登できる滝がいっぱいで、南面の沢ということもあいまって、とても明るいイメージ。
2つある20mの大滝もすっきり登れるのも好印象。
もちろん、小さい割にピリっとくる滝もある。
では、この沢の紹介をしていこう。
まず、入渓点に行くには「水上駅」で下車し、そこからタクシーで「谷川温泉」まで行く。
そして集落の一番奥にある登山道に入っていくのだが…、
この登山道には大量のヒルが腹を空かせて待ち構えていた!
何も考えずに短パン+サンダルで来た隊員は悲惨な目にあっていた。
写真はあわてて足の裏についたヒルを落とすY隊員。
ちなみに登山道は全体的には歩きやすいが、ところどころにかかる橋はかなり心細かった。
2時間くらいで入渓地点の二股に到着。
まわりには流木が大量にあり、薪集めをする必要がないほどだった。
快適な夜であった。
翌日、伏流した出合をたどり、いきなり連瀑帯にぶつかる。
最初の7m滝は右側から問題なく越え、次は15mの大滝。
とはいえ、幅が狭く、なんとなく迫力には欠ける。
N隊員が果敢に水流のなかを登って行った。
と、ザイルダウンのサイン。
「そんなに難しいのかなぁ?」
と思って、様子を見るためにノーザイルで上がって行ったら、
上部1ヶ所初心者には心配な箇所があったが、問題なく登れた。
ここは…それほどザイルの必要性はないように思う。
その後も次々と現れる滝を軽快に越えていく。
こんなに登れる滝ばかりだとどんどんテンションが上がってしまう。
滝のルートファインディングがけっこう面白いので、
初心者から中級者へのステップアップにいい沢かもしれない。
7mの滝。階段状になってるので簡単に登れた。
最初の7m、15m、7m、6mの連瀑帯を越えると、しばらくナメ状の渓相が続く。
ここからしばらくは小さめの滝が続くようになる。
この沢の滝はルートファインディングにちょっと頭を使うことが多いので楽しい。
ときどきは釜も見えるし、南面の沢ということで日が当たってくると素晴らしい遡行となる。
お昼近くになると積極的に水を浴びて行った。でないと暑い!
この沢の核心部は上流の方の6mトイ状滝に続く、20mチムニー滝だ。
両方とも左岸のカンテから越えていくのだが、20mの方のカンテは最上部の傾斜が結構きつい。
ここは水流に入っていく方法もあり、こちらには残置があるのだが、
ここを登った隊員の様子を見るとあまりおすすめできないと思う。
カンテをずっと上までいって巻き登るのが楽だろう。
20mチムニー滝。トップがいる場所の頭上で、右と左の2ルートに分かれる。
この滝を越えると空がいっきに近くなる。
心地よい源流を登っていくとやがてゴーロ帯となる。
巨岩を一所懸命に乗り越えていくと、目の前に白い塊が!
雪渓である。
真夏の山で雪に出くわすとはなかなか想像ができないことだろう。
しかし、豪雪の谷川にはいまだに巨大な雪渓が残っていた。
どうりでこの下で飲んだ水が妙に冷たくておいしかったわけだ。
雪渓の下をわざわざくぐる。ちょっと緊張した。
あとはひたすらゴーロ帯を登っていき、いざなわれるままに踏み跡をたどる。
ふと振り返ると深い深い上信越の谷が…。
ここをたった1日で登って来たのか。
結果的に、いろんな滝はどんどん直登できるわ、
天気はいいわ、ちゃんと前夜発で焚き火はできるわ、
雪渓は見えるわ、帰りはもちろんロープウェイで楽ちんだわ、で最高の遡行になった。
こんなに満足のいった活動は久しぶりだった。
今度は同じく上信越の万太郎沢に行くつもりである。
今年は上信越がアツイ。
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*撮影データ:OLYMPUS E-3 + Zuiko Digital ED 12-60mm f2.8-4.0 SWD
Ricoh GR Digital I
*加工ソフト:GIMP 2.4.5