狩人と犬、最後の旅
今更ながら、「狩人と犬、最後の旅」という映画を観た。
©jackfrench
実在の罠師が自ら主演を務めるという、
リアリティを極めたドキュメンタリー風の物語である。
物語は、極北に暮らす自然と寄り添って暮らす罠師「ノーマン」と、
ソリを引く犬達を中心に繰り広げられるが、
基本的にはカナダの大自然が主役である。
監督の強いこだわりのお陰で、劇中は常に美しい光線のなかにある。
また、カリブーの大群やグリズリーが狩りをする姿など、
貴重な極北の姿も見応えがある。
ちなみにマイナス50度という環境でフィルムを回したのは世界初らしい。
この作品にかける制作者たちの思いが、世界記録を達成させることになったのだ。
こういうドキュメンタリー風の映画は、長くて、たんたんとしていて、
退屈なんじゃないかという思いがあったのだが、そんなことはなかった。
絶妙なタイミングでスリル溢れるシーンが現れたり、
思わず溜め息がでてしまう光景が現れるため、
観ているあいだ飽きる事はまったくなかった。
特に、新しく犬ぞりのリーダー犬になった犬が、
主人公のノーマンの言うことを聞かず、
凍った池のなかに落ちるシーンは実に緊張させる。
ノーマンの生き様は、
ただ山で狩りをして暮らすだけではなく、
狩りをすることで自然の生態系を守っている、そして、
人間は自然に合わせるべきだという点に集約されているのだが、
まさにその通りだと思う。
ちなみにぼくはそんな生活に憧れつつも、
こうしてラジオを聴きながらブログを書いている。
いつかは、自分もどこかの田舎で五右衛門風呂を炊きながら暮らしたいものだ。