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ピンインか、ボポモフォか。

ピンインか、ボポモフォか。

台湾人がパソコンやスマホで文字入力をする方法をご存知でしょうか?

日本語入力と同じように、中国語の場合も複数の方法で文字入力できます。

1つは、ピンイン入力と言って英語のアルファベットを使用して入力する方法です。たとえば、「pinyin」と打てば「拼音」と漢字に変換できますので、日本語のローマ字入力と似ていますね。

おそらく、日本の中国語学習者の9割はピンインに親しんでいるはずです。

一方、若い世代の台湾人の間で使用率が高いのが、注音入力です。注音というのは、台湾が独自に発明した発音記号で「ボポモフォ」と言われることもあります。ちなみに日本語のカタカナを参考にしたそうなので、ちょっとカタカナに似ています。

注音記号の最初の行が「ㄅㄆㄇㄈ」で、この発音を英語にすると「bpmf」となるため日本語では「ボポモフォ」と発音されています。

台湾人のキーボードを見せてもらうと謎の記号がたくさん並んでいるのですが、これがボポモフォなんですね。

ピンインが中国語の発音を無理やり英語のアルファベットに当てはめているのに対し、ボポモフォは正確な発音ができるように工夫されています。

そのため、中国語の発音を学ぶにはボポモフォの方が優れているとされています。

ところが、ボポモフォで学習するためには、まず37字あるボポモフォ記号を覚えなければならないので、台湾の語学学校でもあまり使用されず、圧倒的にピンインが幅をきかせています。

ぼくの場合は、台湾留学経験のある兄のアドバイスでボポモフォで学習するようにしたのですが、学校で習ったのがたったの3ヶ月だったので、台湾に来て、もう6年にもなるのにうろ覚えのままです。

そうすると何が起きるかというと、中国語でタイピングする時にとても苦労するんです!

漢字なら分かるけど発音が分からないという時は手書きか日本語で入力し、発音は分かるけど漢字で書けないしボポモフォもピンインも分からない時は音声入力をします。

こんな様子なので、ぼくは中国語の入力のためだけに、注音、手書き入力、日本語、音声入力の4つを切り替えなければならないのです。まあこれが面倒くさい。

これまではなんとかそれでやってきたのですが、最近パソコンで中国語の長文を書く機会があり、また困ったことになりました。

それは、日本製のキーボードなのでキートップに注音記号が付いていないということ。これでは注音入力もできませんし手書き入力もできません。

結果、ピンインを覚えることに…。

さすがにピンインはローマ字と同じ感覚で使えるので、すんなり入力できるようになってきたのですが、それでも時間がかかるし、ピンインでどうやって入力するのか分からないものもたくさんあります。

きちんと学校で勉強せず生活の中で中国語を勉強したので、こういうことになってしまいました。

基礎的な言葉は知らないのに、やたら専門的な言葉は知っていたりするので、ぼくと話す台湾人はぼくの中国語レベルが分からなくて戸惑うと思います。

台湾人でもパソコンで作業することが多い人はピンイン入力を使っている方が多いと聞きますし、こんな時代ですから、これから中国語の学習をされる方は、ボポモフォと並行してピンイン記号も覚えるのがいいんじゃないかなあと思います。

ところで、ピンインがいいかボポモフォがいいかって、きのこたけのこ戦争と同じく、永遠のテーマな気がします。ちなみにぼくはたけのこ派です。